老人性難聴は加齢による身体能力の衰えに伴う難聴で、「キーン」という高音の耳鳴りを、両耳同時に感じるのが特徴です。初期には難聴の自覚がなく、耳鳴りだけが聞こえるというケースもあります。私の母の場合、年齢や症状から考えても、老人性難聴の初期症状だと考えられます。原因は間違いなく加齢ですが、症状に個人差が大きいことを考えれば、軽減したり改善することも可能ではないかと思えます。
物理的な原因としては、内耳蝸牛の感覚細胞が障害を受ける、内耳から脳へと音を伝える神経経路や中枢神経系に障害が現れる、内耳蝸牛の血管の障害が起こる、内耳内での音の伝達が悪くなるなどがあげられます。これらの原因が、ひとつまたは複数組み合わされて、難聴が発生するのです。
聴力の低下はまず高音域、徐々に会話音域、低音域へと広がっていきます。また他の難聴と異なる特徴として、単に音が聞こえなくなっただけでなく、音は聞こえても内容が理解できないという症状がよく現れます。これは言葉の聞き取り能力の低下で、老人性難聴だけの特徴です。一般的に、50~60代にかけて顕著に現れてくるそうです。
検査としては、まず純音聴力検査を行います。125Hz(ヘルツ)から8000Hzまで7種類の周波数で聴力を検査します。老人性難聴では、高音域(4000、8000Hz)での聴力低下が顕著なので、この検査でほとんどわかります。また、会話音域(500、1000、2000Hz)の聴力低下に応じて、正常、軽度難聴、中等度難聴、高度難聴、聾(ろう)の5段階の診断が出されます。次に語音明瞭度検査です。「タ」、「モ」、「ア」などの無意味な単語(単音節語音)を聞いて書き取り、正解率で診断されます。
辛いのは、もしも老人性難聴と判断された場合、聴力の生理的変化と考えられるため、治療対象にはならないことです。病院では治療してもらえないので、治す方法を自分で探さなくてはなりません。